アメリカに引っ越してきて一番恋しくなった日本食(?)は、卵かけご飯でした。
寿司やラーメンは日本食レストランや日本食品店を利用すれば食べられますが(高いけど)、安全な生卵はなかなか手に入らず…なんとかしてトロトロの卵を食べたくてホットクックを活用してみることに。
卵とサルモネラ菌
日本では気軽に安全に食べられる生卵。
しかし、ほとんどの海外の国では、スーパーの一般的な卵を生で食べることができません。これは、生の卵はサルモネラ菌に感染していることが稀にあり、食中毒を引き起こしてしまうことがあるからです。
日本で生卵を食べられる理由は、鶏舎の衛星管理、抗生物質の投与、流通前の殺菌・消毒などが徹底しているため。
アメリカのスーパーで売られている卵の賞味期限が日本よりも長いのは、加熱して食べることを想定しているからです。中までしっかりと火を通して、サルモネラ菌を殺菌して食べます。
“Pasteurized eggs” という生食できる卵もアメリカには売られているそうななのですが、私の周りでは見たことがありません。ホールフーズやトレジョにはないですね(ちなみに”Pasture-raised eggs”は別モノなので注意)
そこで、自宅で卵を低温殺菌して食べてみることにしました。
卵の低温殺菌
サルモネラ菌を殺菌するには、何℃で何分加熱すれば良いのか?
USDAのサイトでは70℃以上で要加熱と書かれていましたが、卵が固まる温度を調べてみると
白身と黄身の固まる温度はちがいます。白身は、約60℃で固まり始め、約65℃くらいで流動性がなくなり、約80℃で完全に固まります。一方、黄身は約65℃で固まり始め、約70℃で完全に固まります。
(出典:本田技研工業)
ということなので、70℃だと結構固めになりそうですね。
厚生労働省やJA全農たまごの資料を見てみると、60℃で3分30秒というのが一つの最低基準になりそうです。また、こちらのサイトによると、卵のサルモネラ菌を1/106に減少させるのに必要な時間は、60℃で加熱した場合で55.8分。65℃の場合で10.8分とあります。
アメリカの人たちはどう考えているのかなと“how to pasteurize eggs”と検索してみると、生に近い状態で食べられる60℃(140℉)派多し。時間は3分半の方もいれば、10分、15分、20分、30分…と様々な流派がある様子。
ホットクックで低温調理
自動調理
公式レシピを使うと簡単に調理できます。
10個まで同時調理可能で、スタートしてから完成まで所要40分(※温度が上がるのに必要な時間も含まれるため、設定温度での加熱時間が40分ということではない)
卵を内鍋にいれて、かぶるほどの水をゆっくり加えたら、
「メニューを選ぶ」→「メニュー番号で探す」→108で検索。
初期設定は68℃になっていますが、△▽を押すことで±3℃の範囲で温度変更が可能です。
これは68℃で作った温泉卵。
卵かけご飯にするには固いですが、料理のトッピングなどには十分。
手動調理
ホットクックでは、「手動で作る」→「発酵・低温調理をする」→温度を決定→時間を決定、で任意の温度・時間で低温調理をすることができます。
こちらは62℃30分で調理したもの。
これは60℃30分。
白身は色づいていますが、かなりトロトロ。
62℃・60℃ともに、ばっちり卵かけご飯にできました。
まとめ
アメリカでも生卵・温泉卵を食べることができ大満足。
アメリカで買える低温調理器(ANOVA等)で作っている方も多いようです。
温度と時間の設定は完全に自己責任ですが、我が家では、なるべく新しい卵を選ぶ、信頼できる流通元から買う、など気を付けています。