出生前診断のひとつであるクアトロテスト。
羊水検査よりも安価にリスクも少なく検査をすることができます。
しかし、実際、陽性なのに陰性と判定されたり、陰性なのに陽性と判定されることはどのくらいあるのでしょうか?
気になったので具体的な数値を調べてみました。
また、私も妊娠5ヶ月の際にクアトロテストを受けました。
そのときの結果、費用、結果がでるまでの期間について書いていきます。
クアトロテストについて簡単に
クアトロテストでは、妊婦さんの血液を採取して血液中の4つの成分(AFP、hCG、uE3、InhibinA)を測定します。
これらの測定値と、年齢、体重、妊娠週数、家族歴、糖尿病の有無、日本人の基準値などの値から、胎児がダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、開放性神経管奇形である確率を算出します。
検査の結果、確率がカットオフ値よりも高ければスクリーニング陽性、低ければスクリーニング陰性となります。
たとえばダウン症では、1/295がカットオフ値とされています。
つまり、結果がスクリーニング陽性であっても、赤ちゃんが必ずしも対象疾患に罹患しているということではありません。
クアトロテストの精度について調べてみた
クアトロテストを実施しているラボコープ・ジャパンが1999年~2004年に行った調査(全19,112例)のうち、測定結果の割合は以下の通りでした。
・スクリーニング陽性:約9%(1,763例)
・スクリーニング陰性:約91%(17,349例)
しかし、クアトロテストは確定検査ではなくスクリーニング検査であり、偽陽性(実際は陰性であったものの陽性の結果がでる)や偽陰性(実際は陽性であったものの陰性の結果がでる)もあり得ます。
このスクリーニング陽性とされた妊婦さん(1,763例)のうち、実際にダウン症の赤ちゃんを妊娠していたのは39例のみでした。
1,763-39=1,724人の妊婦さんは偽陽性だったということです。
また、スクリーニング陰性と判定された妊婦さん(17,349例)にも、ダウン症の赤ちゃんを妊娠していた方=偽陰性の方が6例いました。
まとめると、全19,112例のうち…
・スクリーニング陽性で実際は陰性=偽陽性:1,724例(約9%)
・スクリーニング陽性で実際に陽性:39例(約0.2%)
・スクリーニング陰性で実際は陽性=偽陰性:6例(約0.03%)
ということになります。
つまり、39例+6例=合計45例のダウン症の赤ちゃんのうち、検出率(クアトロテストで検出できた割合)は39÷45=87%ということです。
同様に、18トリソミーの検出率は77%、開放性神経管奇形の検出率は83%ということでした。
トリプルマーカーテストとの違い
トリプルマーカーテスト(トリプルテストともいう)では、妊婦さんの血液中の3つの成分(AFP、hCG、uE3)を測定して確率を算出します。
クアトロテストではInhibinAという成分も測定しますが、トリプルマーカーではこの成分は測定されません。
そのぶん、トリプルテストのほうがクアトロテストよりもダウン症の検出率が下がり、スクリーニング陽性率はあがります。
●トリプルテスト
検出率:85%
スクリーニング陽性率:14%
●クアトロテスト
検出率:87%
スクリーニング陽性率:9%
クアトロテストのほうが検査精度が高いということですね。
クアトロテスト体験談
私が妊婦健診に通っている病院では、羊水検査は行われていたものの、クアトロテストもトリプルテストも実施されていなかったため、他の病院を探しました。
妊娠12週の妊婦健診の際にかかりつけの医師に紹介状を書いてもらい、妊娠15週にクアトロテストを受けに行きました。
検査内容・結果がでるまでの期間
土曜日も検査可能ということだったので夫も一緒に行きました。
事前予約不要で、待ち時間は1時間ほど。
体重、妊娠週数、生年月日、糖尿病の有無、家族歴などを申告し、夫同席のもと医師の説明を受けます。
採血をしてこの日は終了です。
結果がでるまでの必要期間はだいたい2~3週間ということでした。
15週でクアトロテストを受け、18週でもし陽性となって羊水検査…となるとかなりギリギリですよね(羊水検査は一般的に妊娠15~18週で行われることが多い)
「2週間後だと結果が出ているか微妙、3週間後だと確実」と言われましたが、
早く知りたかったので2週間後に病院に電話をして、結果が届いているか確認。
ぶじ結果がでていたので妊娠17週で再診しました。
測定値と結果報告の紙を見せていただき、スクリーニング陰性でした。
検査にかかった金額
クアトロテストにかかった費用は、初診・再診料と検査費用を合わせて33,000円くらいでした(※現在は金額が変わっている可能性もあります)
また、普段通院している病院からの紹介状費用も別途かかりました。
クアトロテストを受けてみての感想
私の場合はどの疾患についても非常に低い確率がでたので、結果的に受けてみて良かったと思っています。
私の赤ちゃんは、妊娠後期になってからのエコー検査でFL(大腿骨の長さ)がいつも短かかったため、「もしかして染色体異常があるのでは…」と心配になることがありました。
そんな時はクアトロテストの結果を思い出して心を落ち着けることができました。
しかし、もしカットオフ値ギリギリの値がでていたら、受けて良かったとは言えなかったかもしれません。
検査を受ける場合は、可能な限り早めがおすすめです。
もしスクリーニング陽性となった場合、さらに詳しい検査(一般的に羊水検査)に進むこともできますが、先述の通りクアトロテスト~羊水検査のスケジュールは非常にタイトなためです。